新しい関係性をもたらす力

 

 《六》ムスビは西洋タロットの「恋人たち」。縁を「結ぶ」のムスビ。日本神話の最初、国を造り出した神々がタカミムスビやカミムスビと名付けられているように、神話におけるムスビとは「産霊(ムスヒ)」のことで、天地万物を生み出す霊妙な力とされる。

 

 かつて「恋人」のカードには、このムスビのカードと同じく、一人の若い男性に二人の女性が描かれ、女性の美醜や善悪を対比させていたとされる。ムスビにおいてもまた、幸せな男女の背後に般若の女性が描かれる。嫉妬と怒りを表す般若は、必ずしも恋敵とは限らない。母親や姉妹などの、彼の縁の女性を『退けられてしまったもの』として、二人の影としてつきまとう負の側面を担う。それでも、ムスビの力は二人に作用する。新しい関係性をもたらそうと働く。何かを生み出すために。